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便座より冬日を知りぬひとりかな

朝、いつものように便座に座ったとき、ふと違和感がありました。冬のあいだは低温に設定しているその温もりが、今日は少しだけ熱い。「ああ、今日は気温が高いのだな」と、そこで知りました。窓を開ける前に、天気予報を見る前に、まず身体が季節を受け取って...
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冬澄むや校庭越しの声ひとつ

早朝、まだ街は目を覚まし切っていない。三階の窓を開け終え、校庭を挟んだ向こうのバス停から、扉が開く音のあと、「◯◯着です。」というアナウンスが澄んだ空気に乗って耳に届いた。冬の乾いた朝に、その一言がやけにやさしく響いた。日常が今日もきちんと...
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朝月や高く残りてペダル踏む

早朝の通勤路。信号待ちの空に、大きな橙色の月がまだ高く残っていた。少し背中を押されたような、寄りかかりたいような、そんな気がした。
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街灯の尽くるあたり虎落笛

夜道を歩いていると、規則正しく続いていた街灯が、ふいに途切れる場所がある。その先は、形のはっきりしない闇。足を踏み入れるのをためらうほどではないが、少しだけ胸がざわつく。そのとき、風が草木や門扉を鳴らす。虎落笛(もがりぶえ)の乾いた音が、闇...