春雨や烏ことばの澄みにけり

朝、小雨の中を自転車で進んでいると、カラスが何羽かで鳴き交わしていました。

カーカーと短い声、低い声、高い声。どこか情緒のある調子で、互いに言葉を交わしているようでした。

人はあれこれと考えを巡らせ、はっきりしない思いの中で堂々巡りをしてしまう。

あの人はどうだ、この人はどうだと、心の中で言葉が渦を巻くこともあります。

それに比べて、雨の中のカラスの声は不思議なほどはっきりとしていました。

迷いもなく、遠慮もなく、ただ声を交わしているように聞こえます。

春の雨の中で響くその声が、妙に澄んで聞こえた朝でした。

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